μT-Kernel 3.0はT-Kernelとの互換性を考慮に入れて仕様が策定されている。つまり、μT-Kernel 3.0とT-Kernelの間でプログラムの移植を行う際に、共通に存在する機能のみを使っていれば再コンパイルだけで移植できるように、また、修正が避けられない場合でもそれが最小限で済むように仕様が策定されている。
ただし、MMUやFPUといったハードウェアの機能に強く依存する機能や、用途に応じて明らかに不要である機能、デバッグサポートにおけるフック機能など効率性に影響を及ぼす可能性のある機能については、μT-Kernel 3.0仕様ではサブセット化を許容する方針とした。サブセット化を許容した上でアプリケーションやミドルウェアの流通性を向上させるためには、それらのソフトウェアからμT-Kernel 3.0の実装に関する情報を取得できる必要がある。これを実現するため、μT-Kernel 3.0では「サービスプロファイル」という仕組みを導入し、μT-Kernel 3.0における実装依存性の情報を明確に規定できるようにしている。すべてのμT-Kernel 3.0の実装はサービスプロファイルを提供し、サブセット化された機能に関する情報を提供しなければならない。